column #
01
私にちょうどいいRight Sizingな家具
セブンチェア

IMG
1955年の誕生以来、「世界で一番売れているスタッキングチェア」として知られるセブンチェア。シンプルでいて美しい。座り心地がいいのに場所をとらない。まさにRight Sizingな家具の魅力に迫る。

セブンチェア/世界で700万脚以上売れ続けるロングセラー

世界で初めて、プライウッド(合板)による背座一体の三次元曲面を実現した「アントチェア」(1952)。その誕生から3年後に発表されたのが、この後継モデルとしての「セブンチェア」(1955)だ。もともと3本脚だったものを4本脚とすることで、安定性を向上。さらには背面積を広げることで、耐久性もアップさせた。フォルム的にもより合理的かつ洗練された「セブンチェア」は、いまも世界中で愛されている。

IMG

シンプルさの陰に隠された美意識と合理性

一瞥しただけでは、「シンプルな木の椅子」で片付けられがちな「セブンチェア」。だがそのシンプルさの陰には、大量生産を可能にする加工技術、木と鉄という異素材を組み合わせるモダニズムの感性、豊富な材質と塗装のバリエーション、12脚までのスタッキングが可能という利便性が秘められている。本国であるデンマークには銀行やホテルなど、建築作品も多いヤコブセンならではの、合理的な考え方があっての名作と言えよう。

IMG

問合せ先:フリッツ・ハンセン青山本店 Tel. 03-3400-3107

デザイナー/アルネ・ヤコブセン(1902~1971)
デザイナー/アルネ・ヤコブセン(1902~1971)

いわゆる北欧モダンを代表するデンマークの建築家/デザイナー。「ラディソンSASロイヤルホテル」をはじめとする大型建築から、「エッグチェア」「AJランプ」といった家具や食器類、時計まで、いずれも半世紀以上もの長い時を経た今日も愛され続ける不朽的名作を数多く手掛けた。シンプルなフォルムと実直な素材づかいによって合理性とモダニズムを追求しながら、見た目にも使い心地にも優れた機能美を体現する匠として評価される。